2026.03.01
「治す」より大事な技術
毎年、2月の最終日曜日は「はり師・きゅう師国家試験」が行われます。
三年間(大学なら四年間)の頑張りがいかんなく発揮され、4月から国家資格者としてそれぞれ羽ばたかれることを願っています。
さて、この業界にいますと、「膝痛には○○ってツボが良い」とか、「こういう症状には、こう治療するのが良い」など、治療法に関する情報が溢れています。
特に学生や臨床経験が若い先生には、こういった情報は喉から手がでるほど欲しいようです。
私が教員をしていた時も、小難しい医学の話をするより、「腰痛の時は、こういう風に鍼をすると良いです」的な話の方がウケが良く、しかも後で聞くと授業内容よりしっかり憶えていたりします。
その気持ちは十分理解できますし、大事なことだとも思います。
しかしながら、鍼灸の治療は「それ」だけでは出来ません。
・患者さんの話をよく聴く技術(医療面接)
・病態把握に必要な情報収集の技術(理学検査・身体診察)
・鍼灸治療が適応するかの判断とそれらを説明する技術(鑑別能力・評価・インフォームドコンセント・予後の推定)
・衛生的で安全な施術を行える技術(施術環境の管理・危機管理能力)
・日常生活での注意点やストレッチやテーピングなど補助療法を伝える技術(指導)
・他の医療機関と連携できる能力
・・・など、「治す」以前に鍼灸師には必要不可欠な能力があります。
私の応援してるスポーツ選手の言葉で、「当たり前を、当たり前にやる」というのがあり、とても気に入ってます。
「当たり前」とは、「ことに当たる前(当然)」と言う意味。
「こと」を治療・施術とすれば、上記に挙げた能力は「治療する前に、当然行うこと」となります。
しかし、当たり前を当たり前に行うのは、きっと思ったより非凡なことなのかもしれません。
私も臨床歴が四半世紀を過ぎてなお、「当たり前」のことを意識しないで「当たり前に行う」ことが難しいと感じます。
一生修行
一生アップデート
しっかり「当たり前を当たり前に行う治療院」でありたいと、新らしい鍼灸師が旅立つこの時期に改めて決意した次第です。
やえの森治療院