2022.05.17
五月病は万病のもと
「春風駘蕩(しゅんぷうたいとう)」とは、春の温かくのどかな風景の様や、そのような性格をあらわした言葉だそうです。
長野の長く厳しい冬がやっと終わり、暖かな春の陽気に気持ちも明るくなって活動的になってきますが、
この時期から意外と心身の不調を訴える方が増えてきます。
その理由には5月特有の「自然環境」と「社会環境」の、2つの理由があります。
☝まず、「自然環境」の理由です。
これは主に気圧(天気)と温度です。
この時期は温度と気圧の高低差がとても大きくなります。
気温差(寒暖差)が10℃以上になると、体温を調節している自律神経のバランスが激しく揺さぶられます。
自律神経が激しく揺さぶられても、平常の体調に戻す「ホメオスタシス」というシステムが身体はもともと備わっていますが、その性能以上の揺さぶりが来るとエラーが発生し体調不良や倦怠感に繋がります。
自律神経の失調の症状は、
・便通異常(便秘・下痢・それらが交代で起こる混合型)
・睡眠異常(入眠困難・中途(早期)覚醒・多夢)
・末梢循環異常(手足の冷え・火照り、のぼせ感、片頭痛)
などが挙げられます。
気圧の変化は関節内にある滑液包の水圧を変化させるので、
特に普段から症状がある関節、例えば膝や腰、首などに痛みや違和感として出現してきます。
☝次に、「社会環境」の理由です。
5月の前は当然、4月や3月になります。
この時期は会社や学校では年度末・年度初めの時期で、就職・進学・進級・転職・転属など新生活が始められる方もいらっしゃることでしょう。
本人だけでなく、その周りの家族も何だか気ぜわしい感じになります。
そういうことがなくとも、決算や新年度の準備など、ある意味一年で最も忙しい時期になる人も多いでしょう。
緊張や不安がずっと続き、運動もあまりせずPCの前で長時間作業をして、暇な時はスマフォをいじり倒し、コロナ禍で外出や外食もままならないところから、GWで一気に気が緩み発散して、またこれから頑張ろう!になれれば良いですが、、、
その切り替えが上手くいかなければ、やはり身体の不調として先ほど挙げたような自律神経の失調症状として出現します。
また、自律神経の失調は精神面にも影響して、気分の落ち込みなどを誘発します。
対処方法としては
①軽めの運動をする
②規則正しい生活リズムを作る
③食べ物に注意する
と言った、ごく当たり前のことを実行することが大切です。
鍼灸やマッサージは自律神経の調整に最も適した施術なので、色々な症状でお悩みの方は是非ともお試しください。
冒頭の「春風駘蕩」の反対語は「秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)」と言います。
秋の霜が降りる寒さや真夏の日差しのような、厳しく辛いさまを指します。
季節は良いのに、身体内ではそのような過酷な状況にあるのが「五月病」ですので、甘く考えずにしっかり対処して頂きたいと思います。