2021.07.20
耳鳴り・難聴・めまいのお話の『耳鳴り』編です!
これは昔、研修していた治療院でのお話です。
患者さん:「以前院長先生に、耳の中のセミをハリで取って貰ったんだよ。」
私:「えっと…、耳の中にセミですか?」
と驚いていると、
院長:「あ、それ耳鳴りのことだから(笑)!」
と、教えてもらい、一安心したことがあります。
その患者さん曰く、耳の奥で小さなセミが「ジーーーーーーッ」と鳴いてるみたいな耳鳴りに困って耳鼻科に行ったところ、
「もう年だから、そういうこともあるよ。」
と言われただけで、何もしてもらえなかったそうです。
そして、この治療院で何度目か鍼灸治療を受けたところ、そのセミの鳴き声のような耳鳴りがすっかり良くなったそうです。
今のお話で思い出しましたが、専門学校で授業をしている時に、
「耳鳴りの患者さんが来たら一緒にめまいと難聴がないか、めまいの訴えがあったら耳鳴りと難聴がないか、難聴があったらめまいと耳鳴りがないかを必ず聴くこと!」
と、事ある毎にしつこく指導していました。
それは何故かと言うと、この「耳鳴り」・「難聴」・「めまい」はもちろん単独でもありますが、組み合わせて出現する場合も多いのです。
先ほど紹介したセミの鳴き声のような耳鳴りを訴えていた患者さんも、めまいはありませんでしたが難聴がありました。
そこで今回から3回シリーズで『耳鳴り』・『難聴』・『めまい』について説明していきたいと思います!
まずは、初回の『耳鳴り』です。
まず『耳鳴り』とは、音源がないのに音が聞こえる現象のことです。
・「キーン」とした高い音の耳鳴りは若年~中年に多く、過労やストレスなどで悪化します。割とすぐに治ることが多いですが、突発性難聴などでは症状が落ち着くまでに時間がかかる(数日~数か月以上)こともあります。
・「ジーーー」とした低い音の耳鳴りは、高齢者の方に多い耳鳴りです。数分から数時間以上続くことがありますが、何かに気を取られたりすると聞こえなくなったり音が小さくなります。
・「ザッザッ・・・」とした低い音の耳鳴りは厳密には耳鳴りではなく、肩や首が凝ると耳の周りの循環が悪くなり、耳の中の血管の音(血管雑音)を拾って聞こえることがあります。
・また、いわゆる『耳鳴り』ではありませんが、耳管というノドと繋がっているところが開いたままになると音が反響して聞こえたり、末梢性の顔面神経麻痺(ベル麻痺)などでは聴覚過敏が起こることがあります。
耳鳴りに対する鍼灸治療は耳の循環改善と、自律神経の失調の改善、ストレスの軽減等を目的に行います。
しつこい耳鳴りは気になって、日常生活にも支障をきたします。
そういう時は我慢なさらずに、是非本院にご相談ください。
*ちなみに冒頭で「耳の中のセミをハリで取って…」と書きましたが、実際には耳の周りや肩などのツボへの施術を行い、直接耳の中に鍼を入れたりはしておりません。