2022.01.15
「冷たい女」のトリセツ(冷え性)
この時期になりますと、「冷たい女」=冷え性の女性が増えてきます。
実際には時期に寄らず、一年中手足に冷えを感じてらっしゃいますが、寒くなると一段と強くなるようです。
そもそも「冷え」とは何でしょう?
冷えとは・・・「主に手足の不快な冷感」のことです。
原因としては
①寒冷への暴露
②自律神経の失調
③運動不足
④その他
があります。
①寒冷への暴露
冷たい風に吹かれれば寒い・・・当たり前のことですが、ある意味最も分かっているけど対処しきれてない原因かもしれません。
かなり厚着されている方もいらっしゃいますが、お仕事でどうしてもスカートを履かなくてはいけなかったり、全身は割と良くても首元がガラ空きだったりされている方がいらっしゃいます。
裸でいるよりはマシですが、足首や首筋には太い血管が通ってますので、そこを冷やすことは全身の冷えを助長するのでお勧めできません。
手先、足先はもちろんのこと、首、おなか、腰(おしり)、太ももなどもしっかり防寒・保温しましょう!
②自律神経の失調
手や足が冷える原因に、血行不良が挙げられます。この血行をコントロールしているのが、自律神経(特に交感神経)です。
私たちの身体は寒さを感じると、「体温を上げる反応(産熱)」と「体温を逃がさない反応(放熱の抑制)」が起こります。
このうち「体温を逃がさない反応(放熱の抑制)」の中に、手足の毛細血管を収縮させるというものがあります。
この反応により手足の血液循環が悪くなり、更なる冷えへと繋がります。
ちなみにこの神経は「緊張」=「ストレス」で働きます。そのような時は冷えが強まるのと同時に胃腸の運動も抑制しますので、「冷えておなかが痛くなる・下す」などの症状の原因にもなります。
対処法としては、肩の力を抜いてリラックスすることが一番です。しかし、自分で行うのは案外難しいことですね。
③運動不足
足の冷えでは特に言えることですが、足の先まで行った血液がまた心臓に戻るためには足の運動、特に下腿(ふくらはぎ)の運動が不可欠になります。
マラソンやサッカーなどの激しい運動ではなく、軽いウォーキングや散歩で結構ですので、寒さに負けずにカラダを動かして頂きたいです。
それもちょっとと言う方は、軽い屈伸運動や足じゃんけん運動(足の指でグー・チョキ・パーを作る運動)をするだけでも変わってくると思います。
筋肉が多くなると代謝も上昇し「冷えにくい身体」になりますから、継続してチャレンジしてみて下さい。
④その他
①~③以外の原因では、下に挙げたようなことが冷えの原因になります。
・甲状腺機能低下症(橋本病など)や褐色細胞腫などの内分泌疾患
・全身性エリテマトーデス(SLE)などの膠原病で見られる「レイノー現象(寒冷刺激などにより、指が白→紫→赤に変わる現象です)」
・喫煙(ニコチンには強い血管収縮作用があり)
最後に当院での、「冷え性」治療についてご説明します。
まず、
④の原因であれば・・・専門医での治療が優先されたり、禁煙が重要になりますのでまずそこから始めます。
①に対しては・・・その足首や手首などで大きな血管があるツボをお灸で刺激して、末梢の循環改善を図ります。
②に対しては・・・全身のコリや頭皮を刺激することで、興奮性の交感神経の作用を抑えリラックスをさせる副交感神経を鼓舞します。
③に関しましては・・・ふくろはぎへ鍼をして電気をかけます。そうすると筋肉が収縮して筋ポンプが働き、運動したときと同じような効果が期待できます。
さらに腰や臀部への治療が下半身の冷えに特に効果的ですので、症状が強い場合には追加で行って参ります。
更に自宅でのお灸も効果的ですので、その指導もさせていただきます。
鍼灸治療を上手に活用して、「冷たい女」=冷え性から卒業しましょう!