2022.02.14
猫背のヒトはいても、猫背のネコはいない
猫背、ネコ背、ねこ背・・・名前はかわいらしいのですが、私も小さい時によく親に注意されたのを憶えています。
でも、最近では、
「Zoomの会議で自分の画像を見ると、猫背が気になってしまう。」
「パソコンに向かって仕事している時に、ふと自分が猫背になっているのに気が付いて慌てて背筋を伸ばす。」
「普段から姿勢には気を付けているんだけど、どうしても猫背になってしまう。」
と、いうようなお話やお悩みをよく伺います。
「猫背とは」と、いつもならその言葉の定義について述べるところですが、
実際調べてみると特に定義などはなく、
単に
「背骨が後ろに曲がった状態のこと」
「悪い姿勢」
のようなことしか分かりませんでした。
さて、この猫背。何が悪いんでしょうか?
あくまでも私の推測の域を出ませんが、健康面では前かがみの姿勢は物理的に横隔膜の動きを悪くさせ、そのせいで呼吸が浅くなります。
そうなると酸素が供給されにくくなるので代謝が悪くなり、太りやすくなったり冷え性が助長されることになります。
胸郭が動かなくなると循環も悪くなるので、むくみやすくなります。
横隔膜の下には胃や腸があるので、その動きも妨害されるため胃腸の不調や便秘などにもなりやすくなります。
食道は横隔膜を貫いて胃と接続しますが、その横隔膜がゆがんでいると胸やけ(逆流性食道炎)の原因にもなります。
ちょっと書いただけでも、かなりの影響が挙げられます。
更に社会的な側面でも、猫背は損をします。
猫背になると、自然に上目使いになります。上目使いの人から受ける印象は、「隠し事がある(ウソつき)、媚びている、何か企んでいる、猜疑心が強い、自信がない、表情が分からない・・・」などで、あまり良い印象ではありません。
歩き方も前傾姿勢が強くなることで歩幅が狭くなり、バランスの悪さを代償するためいわゆる「ガニ股(O脚)」になります。猫背にガニ股・・・ガラが悪く見えますね。
*歩き方は自分では、なかなか気が付けません。そこでいつも履く靴の底を見て頂くと、外側のヘリと踵の所が擦り減っている方は要注意です!
この猫背の原因は色々と考えられますが、とても重要なのは「股関節の硬さ」です。
この硬さは「大腿四頭筋」と「腸腰筋」という筋肉の柔軟性が関与しています。
「やえの森治療院」ではこの2つの筋肉へのアプローチで、猫背の改善を図ります。
具体的には猫背によって起こる身体の不調を鍼灸治療で治してから、正しい歩き方とストレッチで矯正していきます。
ちなみにこのブログのタイトル「猫背のヒトはいても、猫背のネコはいない」とは、ヒトの猫背とは専門的には胸椎と言う部分の後弯が強くなっていること言うようですが、当の猫の胸椎は割と前弯気味で、後弯しているのは腰椎になります。だからもし不良姿勢の猫がいたら、それは「ねこ背」ではなく「ヒト背」という表現になるかもしれませんね。