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2021.04.16

腰痛はつらいよ!

付き合いしだして、30年以上が過ぎました。

最初の出会いは衝撃的で、突然ビビッと電撃が走り夜も眠れないほどでした。


授業中も気になり、落ち着いて座っていられなかったことを覚えています。

今はあの頃ほど激しくはないですが、時々、ふとした瞬間に蘇ってきます・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

腰痛が(実話)!

 

 


 

 

 

 

実は鍼灸院を利用される患者さんの、1番多い愁訴が『腰痛』です。

 

腰痛は「腰が痛い」と書きますが、実際は腰だけでなくおしり(臀部)や股関節、背中を含めた痛みの総称になっています。

 

鍼灸の専門学校で教えている時も、腰痛症はとても大事な単元なので座学でも実習でも指導に熱が入りました。

 

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≪ 主な腰痛症一覧 ≫

1)整形外科的疾患(特異的)

① 椎間関節性腰痛

特徴:後屈痛、患側への側屈・後側屈痛、ケンプテスト(+)、下肢・神経症状なし

 

② 筋・筋膜性腰痛

特徴:前屈痛、健側への側屈・後側屈痛、ケンプテスト(-)、下肢・神経症状なし

 

③ 変形性脊椎症

特徴:高齢者、慢性的な経過を辿る、他の腰痛症が除外できる、脊柱の変形が顕著

 

④ 脊椎分離・すべり症

特徴:比較的若年者、スポーツ歴、他の腰痛症が除外できる、触察で階段変形が確認できる

 

⑤ 姿勢性腰痛

特徴:ある姿勢を一定時間取ると症状が出現する、運動で誘発されない、内臓性を除外

 

⑥ 腰椎椎間板ヘルニア

特徴:比較的若年者、下肢・神経症状あり、膀胱直腸障害の有無、腹圧亢進(くしゃみ・いきみ・せき 等)で症状の出現・増悪、長時間の座位 等

 

⑦ 腰椎脊柱管狭窄症

特徴:高齢者、(神経性)間歇性跛行の有無、下肢の末梢神経症状あり、前屈姿勢での症状寛解、SLR(-)           *足背動脈の触知・下肢の冷感などは、ASOとの鑑別に必要。

 

⑧ 腰椎圧迫骨折

特徴:高齢女性、椎骨部に限局した痛み、叩打痛(+)、受傷起転の有無、下肢症状等なし

 

⑨ 仙腸関節障害

特徴:経産婦、ニュートンテスト(+)、仙腸関節部周辺に限局した痛み、鼠径部痛など

 

⑩ 梨状筋症候群

特徴:臀部から下肢にかけての痛み・シビレ、臀部の圧痛・ストレッチ痛顕著、腰部所見なし

 

⑪ 神経痛

特徴:デルマトーム上や神経絞扼部位周辺に放散する痛み、皮膚をつまみ上げると緊張が強い(擦診法)、局所の治療で余り効果がないときにも疑う など

 

⑫ その他(滅多にないので、主な疾患が完全に除外できた場合や特殊な既往歴・症状がある際に検討する。)                                                                                                                              例:脊椎カリエス・化膿性脊椎炎・多発性骨髄腫・骨粗鬆症・強直性脊椎炎・脊髄腫瘍・外傷 等

 

 

 


 

 

長いね~

読むの疲れるね~

 

 

2)内臓性腰痛 … 安静時痛(楽な姿勢がない)・夜間痛(痛みで目が覚める)・局在が不鮮明な鈍痛 など

① 腎泌尿器疾患(尿路結石・腎炎・腎癌 など)

特徴:尿の異常(血尿・乏尿・無尿)、痛風の既往(疑い)、叩打痛(+)、むくみ、疝痛発作 等

 

② 膵臓疾患急性慢性膵炎 など)

特徴:アルコール摂取の有無、悪心嘔吐、仰臥位で増悪、座位前屈で軽減、黄疸 等

 

③ 女性器疾患(卵巣嚢腫・卵管炎・子宮内膜症・子宮筋腫・更年期障害・異所性妊娠・子宮頸癌・子宮体癌 など)

特徴:生理周期の異常、月経血量の異常、帯下の異常、下腹部痛、不正出血 等

 

④ 胃・十二指腸疾患(胃・十二指腸潰瘍、胃癌 など)

特徴:腹痛、悪心嘔吐、食前食後に症状が変化、便の異常(タール便)、臀部にまで波及することがある 等

 

⑤ 胆のう疾患(胆石症・胆のう炎・胆のう癌 など)

特徴:側腹部痛、悪心・嘔吐、黄疸、発熱、冷汗、褐色尿、白色便 等

 

⑥ 循環器疾患(大動脈解離・大動脈瘤破裂 など)

特徴:激烈な胸背部痛、動脈硬化や高血圧症の既往、ショック症状、意識障害 等

* 救急対応が必要である。

 

 

3)その他(非特異的)

① 心因性(心気症、うつ病 など)

特徴:運動時痛が顕著でない、他の愁訴が多い、ストレスが多い(心理社会的要因)、心配症、慢性的な経過、寛解増悪を繰り返す 等

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

以上は、実際に授業で使用していた資料の一部です。

専門的な内容はともかく、一口に「腰痛」と言っても、たくさんの病態があることが分かります。

 

*もちろん、学生さんには全部覚えてもらいますし、これだけでは全然足りないので更に説明を加えていきます。

鍼灸師になる勉強も、なかなか大変なんです)

 


 

ここまで読んでくださってありがとうございます!

休憩して甘いものでもどうぞ~♫

 

 

治療については当然それぞれの病態で異なりますが、基本的には①局所の鎮痛、②循環の改善(痛い部分は血流が悪くなります)、③硬くなった筋肉を柔らかくする(ただし、ある意味、天然のコルセットであるため緩め過ぎない)、④痛みに敏感になっている全身の神経系を落ち着かせる…などになります。

 

 

 

ちなみに学生によく質問されたことですが、

 

学生:腰が痛くて整形外科に行ったら、

レントゲンを撮って*すべり症と言われました。

鍼灸で治りますか?

 

:Yesでもあり、Noでもあります。

 

学生:???????

 

 

腰椎分離すべり症:多くは体が柔らかい中学生頃に、ジャンプや腰の回旋を行うことで腰椎の後方部分に亀裂が入って起こります。「ケガ」のように1回で起こるわけではなく、スポーツの練習などで繰り返して腰椎をそらしたり回したりすることで起こります。一般の人では5%程度に分離症の人がいますが、スポーツ選手では30~40%の人が分離症になっています。分離症は10歳代で起こりますが、それが原因となってその後徐々に「分離すべり症」に進行していく場合があります。                 日本整形外科学会HPより転載

 

 

鍼灸治療で出来るのは先ほど述べた通り、鎮痛や循環改善などです。骨の変形は治せません。

ですから、丁寧に答えるなら「すべり症の腰痛に対しては効果があると思うけど、すべっている骨を元通りには出来ないよ。」となります。

それで実際に治療してみると、痛み自体は軽減または改善していきます。当然、背骨(腰椎)はすべったままです。

 

 

私は中学生の時に腰椎椎間板ヘルニアになり、陸上選手としての選手生命が断たれました。

そのような悔しい思いを、他の方にさせないために鍼灸師の道を志しました。

 

腰痛でお困りの方は、是非一度ご相談ください。

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